看護師の転職について教えます

看護師は人の命を救う尊い仕事です。
白衣の天使、といわれるように、人々から必要とされ、尊敬され、感謝される仕事でもあります。
看護師への就職や転職を目指す人も、人を助けたいという想いや、やりがいを求めているケースが多いようです。
そんな看護師への就業ですが理念ややりがいといった面だけでなく、待遇的な面でも目指すメリットが多い職種であると言えます。
一つは、待遇面。
24時間体制で就業しなければならない、といった側面もあり深夜手当が出るといった少し大変な事情もあるにせよ、看護師の給与水準は他の業種の平均値に比べて、相対的に高い水準に位置すると言えるでしょう。
また、看護師は全国的に、とりわけ地方においては人員不足もあいまって勤務地を好きなように選べる職種でもあると言えます。
今回は医療現場の実態にも言及しながら、看護師という職種の必要性と、転職での優位性について言及していきます。

看護師求人は勤務地も豊富!全国どこでも探せる!

現在は弁護士などの難関資格を保有していても、求人がなく、就職に苦労しているなどという悩みを聞くことがあります。
しかし、こと看護師に関しては資格の取得で困っているという話はかつて聞いたことがありません。
医療業界全般に言えることではありますが、とりわけ看護師の就職に関しては求人の側が余っており、選び放題というのが実態です。
それくらい、日本全国各地で求められている職業であると言えるでしょう。

裏を返せば、勤務地を選び放題、ということでもあります。
都心や、地方都市のような都会が周辺環境で働きたければそういった求人を探せばよいですし、逆に、人が密集していない地方で勤務したいと思えば、他の多くの仕事と異なり、看護師の求人は溢れています。
地方出身者がUターン就職をしたり、転職を機に故郷に戻りたい、などと考えている場合、看護師を目指すというのも一つの選択肢として検討しうるものであると思います。
また、縁もゆかりもなかったけれども、一度住んでみたかった、というような地域がある場合も、看護師の資格を持ったうえでの就職活動、転職活動を行えば、希望の勤務地への移住もハードルが高いものではなくなってきます。

看護師の人たちさらに、結婚相手が転勤族、というようなことがあっても、全国で看護師が必要とされていますから、転勤先での就職にも困らず、結婚を機に仕事を辞めなければならない、といった心配をする必要性も低いです。
それほどまでに医療業界の求人、とりわけ、看護師の求人といったものは全国各地にあふれているものになります。
条件次第ともなりますが、転勤なくそのエリアのみで勤務できるような求人も沢山ありますので、いつ転勤になるかわからないといったようなリスクを抱えたくないような方にも看護師という働き方は選択肢の一つとして視野に入れる価値はあるものであるということが出来るでしょう。
最近だと、日本各地を数年おきに転々とするような人生を選びたい、というような需要も少なくないと聞きます。
そういった生き方を目指すにあたっても各地で必要とされていて、転職活動に困らない資格を保有しておく、というのは有意義な選択かもしれません。

看護師資格を取ったら一生看護師でいるべき?

なお、看護師の資格を取ったからといって、一生それ以外の仕事に就いてはいけない、などということは一切ありません。
一度取った資格の期限というものはなく、生涯を通して有効な資格となります。
医療現場に携わって働いている場合は、届け出が必要となりますが、一度医療の世界から離れたからと言って、その資格をはく奪されるわけではなく、また現場に戻った際に届け出を行えば、再び医療の世界で働くこともできます。
新卒で看護師でとして就職し、転職ではまた別の仕事に就職。

その後、また医療現場で働きたいと思えば、再び医療業界に戻ってくる、といった柔軟な働き方ができます。
資格の取得自体は決して楽なものではありませんが、働きながらでも、最短で4年間かけて資格を取得することが出来ます。
新卒の就職でやりがいのない仕事についてしまったが、辞めては生計が成り立たない、などという悩みを持っていても、仕事と資格取得の両立をこなすことが出来れば、全国で必要とされている立派な資格を持って、堂々と転職することが出来ます。

それも、勤務地も自分で選ぶことが出来る形で。
結婚を機に一般企業を退職した方が、ある程度子供が大きくなった後に子育てと両立しながら資格取得に励み、子育てが落ち着いたら医療の世界に転身、なんて生き方もできるかもしれません。
このように人員不足も相まって、全国各地に求人が溢れている看護師の資格を取得しておくことは、勤務地やライフステージに合わせた、幅広い選択肢を持つことのできる手段であると言えるでしょう。
勿論、気軽にとれる資格ではありませんが長い人生の事を考えると本気で業界を目指しているわけではなくても取得を選択の一つと考えること自体は面白いものなのではないかと思います。

看護師が足りない!医療現場の実態とは

勿論、「選び放題だ」と手放しに喜べる話ばかりではありません。
それだけ、「求人にあふれている」ということは裏を返せば全国的に人員不足に悩まされている、ということを意味します。
これは看護師だけではなく、医者も含めた医療スタッフ全体に共通する課題でもあります。
日本の医療技術は、世界有数の先進国として、それなりに進んでいる水準にあるとはいえ、業界が長年抱え、政府も解決を試みようとしながらも現在も解決できているとはいいがたいのが、医療現場の実態といえるでしょう。
医者一人当たりが見なければならない国民の数、というのは先進国の中で、どころか、世界全体の中でも最多水準にあると言われています。

よく、大病院に行くと、待合室が人にあふれていて、苦しいのに何時間も待たされ、挙句数分の診察で終わってしまうなどという経験をされた方がいらっしゃるかもしれません。
これには、高齢者が1割負担であるのをいいことに、病院の検査を健康診断代わりに使い、ロビーで談笑するといった「病院のサロン化」といった笑えない落語のネタが出てきているような事情もありつつも、一番の根本的な背景としては圧倒的な医療現場における人員不足が挙げられます。

日本はこれから、少子高齢化が進み、一層人口における高齢者の比率というのは上がっていく一方であることが容易に想定されます。
これだけ、人手不足が叫ばれている業界。
看護師が年々減っているかというと、実は実態は真逆で、毎年看護師の資格を保有している人の数は実は年々増えています。
また、厚生労働省が試算した、必要な看護師の数に比べ、実際に働いている看護師の数は上回ってるというデータも出てきています。
にも関わらず、現実としては地方を中心に求人が溢れており、看護師の資格を保有していれば、就職、転職は超売り手市場、という認識の方が現実に近いようです。

一つには、厚生労働省の試算が現場の実態を無視した、データだけのものであり、試算の結果自体が適切なものとは言い難く、本当はもっともっと看護師が必要だという計算結果が算出すべきだというような事情があるかもしれません。
しかし、それを差し置いても、看護師の数は年々増えているにも関わらず、その数では現場が賄えていないというのが実態であるようです。
やはり、少子高齢化に伴い、医療を必要とする高齢者の数が年々増え続けていることが背景として挙げられるでしょう。
医療の発展、それによる長寿化といったこと自体は良いことではあるのですが、長寿になればなるだけ、そこにかかる医療の人手が増えていく、ということも意味します。
一昔前であれば寿命を迎えていた方々が、長生きするようになり、そこにかかる医療の工数も年齢を増すごとに上がっていく、そこに新たに「高齢者」ゾーンに突入してくる方々が増え、そこにかかる医療もまた増えていく。

そういった医療のニーズの増加のペースに比べると、医者や看護師の増加のペースは追いついておらず、結果として医療現場の人員不足という結果が解消されていない、というのが現在の医療業界を取り巻いている実態なのではないかと思います。

先ほど、一般の企業であれば地方には求人がないが、看護師であれば求人が十分にある、というようなことを書きました。
正確に言うと看護師についていえば、他の多くの仕事とは真逆で、地方に行けば行くほど、求人が溢れている、人手が不足しているのが現状です。
都市部でも売り手市場で就職には困らない看護師という職種ではありますが、地方ではそれを遥かに上回る、超売り手市場となっています。
地方で看護師がとりわけ不足している原因の一つとして、7対1看護というワードが挙げられます。

どういったものなのか、なぜ地方で人員不足がより深刻なのか、次の項目にて詳細な解説を行っていきます。

地方の病院で看護師が不足?7対1看護とは

そもそも、7対1看護とは一体何か、という部分から解説していきます。
7対1看護というのは2006年に改訂された診療報酬の改定において設けられた基準です。
患者7人に対して、看護師1人を配置するのが望ましいという基準が定められました。

この人数の比率から呼ばれている語句になります。
ただし、これはあくまで「基準」であり、これを下回る水準においては患者を受け入れてはいけないといったことがあるわけではありません。
ただし、患者と看護師の基準が15対1を割ってしまった病院については診療報酬を大幅にカットされる、というペナルティが発生してしまいます。
この7対1看護はもともとは、看護師の業務の負担を解消することも一つの目的として定められた制度です。

この水準を維持できているだけの経営努力をしている病院に対して有利な報酬の支払い制度を定めることで、当初問題となっていた看護師の労働環境を改善することが期待されていました。
この定めにより、環境が改善された病院もあるかとは思いますが、すべての病院において成功しているわけではありません。
診療報酬のカットを嫌い、この7対1看護の比率を実現させる目的で病院が看護師の採用に一斉に力を入れたことも看護師の求人が溢れている原因の一つとして、一時的にではありますが挙げられるかもしれません。

そうなってくると、入院患者を多く抱える(ベッドを沢山保有している)病院は比率を実現するために、大量の採用を行う必要があり、求人にかなり力を入れるようになります。
先述の「看護師は都会でも地方でも好きなように勤務地を選べる」といったことを書きました。
地方勤務に憧れる人も少なくはないかと思いますが、全体としてみると、やはり便利な都会で働きたいという求職者の方が割合は多く、大病院のニーズと一致して都市部の大病院に人が集中するといった現象が起こりがちになってきてしまっているようです。

7対1看護の制度のポイント

また、7対1看護の制度において留意しなければならないポイントがあります。
それは、どのようなジャンルの病院においても基準が「7対1」であるということです。
いうまでもなくどのようなジャンルの患者を受け入れているかによって、その患者達の十分なケアに必要とする看護師の数は変わってきます
基本的にはケアの必要なく、いざという時だけ動けばいいような軽微な入院患者を扱っているような病院もあれば、患者一人一人に手がかかりほぼ付きっきりでなければならないような病院もあります。

そういった実態は考慮されず、ただただ、人数の比率としての7対1です。
そうなってくると、地方の病院の方にしわ寄せが行きがちになってくることも想像に難くないでしょう。
都市部であれば総合病院のような形態であれば、バランスをとることもできますし、手のかかる患者が多いような病院であっても、立地で求人が取りやすければその問題の対応も比較的苦労はしないものになります。

7対1を基準にしているとはいえ、極論、別に6対1でも、5対1でも求人があり、経営が回るのであれば人を雇うことが出来ます。
しかし地方の病院は苦労することになります。
病院数の少なさから都市部ほど専門性に特化することが出来ず、図らずも総合病院のような形で多くのジャンルの患者を受け入れなければならない。
にもかかわらず、都会に比べると就職希望者が少なく、人手不足に悩みがちとなります。

その中で、15対1の基準を下回ってしまっては、忙しい上に、賃金もカットせざるを得ないといったような二重苦が差し迫ってくる、と考えると、地方へのしわ寄せは想像以上に大きなものであると言えるでしょう。
改訂当初の想定にくらべ、多くの病院が一斉に人材獲得に動き出したといったような読み間違いがあったようですが、人手不足解消のために導入した制度が却って地方においては人手不足を助長しているといった側面も否定でいません。
地方においてもまた抜本的な改革が行われることが望まれますが、逆に言えば、最初は少し忙しいかもしれませんが、今地方に就職しておくことによって受けられる恩恵が大きいかもしれないとも考えることが出来ます。
そういった先読みの選択も含めて、多様な選択が可能になるのが看護師の資格です。

すぐに目指す、というものではなくとも今後の選択肢の一つとして念頭に置いておく価値はあると思います。